- 作者: アービンジャーインスティチュート,金森重樹,冨永星
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2006/10/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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感動しました。素晴らしい本です。
このところ、なぜ社会はギスギスしているのか、人間関係に悩む人が多いのかと考えていましたが、この本を読んで全てが腑に落ちました。
箱
気づかないうちに私たちは「自分は正しい」と思い込んでいます。大人になると諭される機会もなくなるし、何かのきっかけがないと、自分は正しいという思い込みのなかにいることすら気づけないでしょう。つまり「箱の中にいる」状態です。井の中の蛙大海を知らず(少し意味は違いますが)。
そして箱の中で自分だけと向き合っています。他人に背を向けて。「自分が正しい」「自分は傷つけられたくない」と思いながら。
なんと理論的なのだろうか
この本は精神論的な話ではありません。なぜ人間関係がうまくいかないのか、丁寧にストーリーに沿って論理的に展開されています。ストーリーを追いながら主人公のトムと一体になりました。トムと同じ疑問を持ち、それに対する解答が与えられる。やさしい語り口で。
「相手は変えられないが自分は変えられる」「自分がオープンになれば人間関係もうまくいく」など、多くの本に書かれていますが、なぜそうなるのかよく仕組みを理解できずにいました。自分を変える・オープンになるということは、箱から出ることだったのですね。
今日見つけた自分の「箱」
なんとなく抽象的でうまく表現できない話になっていますが。さっそく私は自分の「箱」を発見することができました。
今日は夕方から、公共施設の自習ルームで英語の勉強をしていました。申請すれば誰でも無料で使え、自習用の机がある施設です。自習机の隣のスペースはグループ用になっていて、そこでおしゃべりをしているグループがいました。
しーんとした自習ルームに響くおしゃべりの声と、ときおり上がる笑い声。私は集中を妨げられて、少しイライラしていました。「集中できないのはあの笑い声のせいだ」と思っていました。でも落ちついて考えてみると、集中できていないのは私だけのようです。他の人は集中できていました。
どうやら私に問題があるらしい。そういえば少し疲れていて、眠気がします。机で少し仮眠を取ることにしました。寝て起きるとすっかり疲れは取れ、おしゃべりの声が気にならないほど集中できるようになりました。
集中できないのはおしゃべりではなく、自分の疲れのせいだったのです。それなのに私は「おしゃべりのせいだ」と思ってしまった。これは私が箱の中にはいっていたからではないか。そうか、これが箱なのか!目から鱗が落ちる思いでした。
何度も読み返したい
今日は本を読んだばかりで素直な気持ちでいたので、「箱」に気づくことができました。でももっと箱に入ってしまっていたら?
この本は手元においておき、定期的に読み返したいです。
最後の「心得」がまた素晴らしい
本の最後に書いてある心得が、また素晴らしかったのです。引用したいところはたくさんありますが、1つだけ紹介します。
他の人が間違ったことをしているという点に注目するのではなく、どのような正しいことをすればその人に手を貸せるかを、よく考えろ
この心がけを忘れません。