2011年に読んだ本のうち印象に残ったもの10冊


http://d.hatena.ne.jp/stilo/20111206/book2011さんの企画に参加して、2011年に印象に残った本を10冊ご紹介します。

社会系

モラル・ハラスメント―人を傷つけずにはいられない

家庭内や職場に止まらず、社会全体に増えていると感じるハラスメント。特に行きすぎた「精神論」「しつけ」としてモラル・ハラスメントが横行しているのが気になっていたので、詳しく知るために手に取りました。被害者視点で実例を挙げ、「あなたの受けているのはモラル・ハラスメントである」「あなたは悪くない」とやさしく解説されています。一方で加害者側に救いはありません。モラル・ハラスメントの被害とはどういうものかを知りたい人に。

モラル・ハラスメント―人を傷つけずにはいられない

モラル・ハラスメント―人を傷つけずにはいられない

なぜビジネス書は間違うのか ハロー効果という妄想

成功した企業や実業家の実例を挙げ、それを真似すれば自分も成功できると思わせるビジネス書が増えています。そのような本の誤りを、理論的に考察した本。ハロー効果とは、全体の印象から個々の特徴を判断する傾向のことで、簡単に言うと「いい印象があるからその人のすることもよく見える。悪い印象だと悪く見える。」こと。同じ手法をとっても成功しなかった人たちの例は無視される、周りの影響(タイミング・社会情勢)も無視されるなど、ビジネス書にありがちな間違いが説明されています。ビジネス書に疑問を持っている人に。

なぜビジネス書は間違うのか

なぜビジネス書は間違うのか

科学的とはどういう意味か (幻冬舎新書)

福島第一原発の事故に関する報道や周囲の反応に、疑問と不快感を持っていました。なぜ科学的根拠を知ろうとせず、「安全」「危険」という二分論になるのかと。理系と呼ばれてきた私にはさっぱり理解できませんでした。この本では、科学的に物事を考えられない人たちの特徴を著者の印象ベースで書かれています。全てに同意はできませんが、なぜ科学的に考えられない人が存在するのかという分析が面白かったです。社会について考える軽い読み物として。

科学的とはどういう意味か (幻冬舎新書)

科学的とはどういう意味か (幻冬舎新書)

それでも、日本人は「戦争」を選んだ

東日本大震災前に読んだ本。なんとなく世の中の空気が「戦前」に通じると感じ、戦前のことを知るために手に取りました。ある高校の歴史部向けに行われた講義で、対話形式になっています。戦争は悪い人が扇動したわけではなく、国民が選び、なだれこんでいったものなのだとわかりました。近代史は詳しくないので理解度は半分くらいでしたが読み応えがありました。戦前の空気を知りたい人に。

それでも、日本人は「戦争」を選んだ

それでも、日本人は「戦争」を選んだ

心理系

ダメな自分を救う本―人生を劇的に変えるアファメーション・テクニック

うつもよくなり自責感が消えたものの、自己肯定感をもっと持ちたいと思っていたときに手に取った本。潜在意識やセルフイメージが自分にどういう影響を与えるか解説されています。ワークブック形式になっているので、すぐに実践できるのが気に入りました。
記事でも紹介しました。→ 自分のことが好きですか? ー 「ダメな自分を救う本」を読んで - めざせ!へなちょこ脱出
半年経って振り返ると、自己肯定感を強くもてるようになったし、生きていることが楽になりました。読んで良かった本です。もっと自分を好きになりたい人に。

自分の小さな「箱」から脱出する方法

私は人間関係の悩みを聞く機会が多く、どうしたらもっと争いが減るのだろうかと感じていた時に手に取った本。知らないうちに入り込んでいる「箱」について、ストーリー仕立てで知ることができます。「自分は正しい」「傷つけられたくない」と自分を守ることに必死なのだとわかりました。そこから抜け出す方法についても。人間関係がしっくりこない人に。
記事でも紹介しました。 → 誰もが箱の中で他人に背を向けている ー 「自分の小さな箱から脱出する方法」を読んで - めざせ!へなちょこ脱出

自分の小さな「箱」から脱出する方法

自分の小さな「箱」から脱出する方法

  • 作者: アービンジャーインスティチュート,金森重樹,冨永星
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2006/10/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • 購入: 156人 クリック: 3,495回
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傷つかない技術

ネットで繰り返される中傷合戦や批判の応酬に辟易し、かといって無視するのはよくないと葛藤していたときに手に取った本。批判は、有益な批判であっても有害なのだという記述に目から鱗が落ちました。「批判を無視する」「批判をかわす」という解決方法ではなく、受け止めて無害化する方法が紹介されています。アサーションに通じるかも。本はやや読みにくいです。傷つくのが怖い人に。

傷つかない技術

傷つかない技術

メンタル・タフネス―勝ち抜く「精神力」を手に入れる

メンタルも体と同じようにトレーニングで鍛えることができる、という本。精神論ではありません。筋トレと同じで、精神にもオーバートレーニングとアンダートレーニングがあり、ストレスが大きすぎても小さすぎても精神が弱くなってしまうとのこと。ネガティブな感情は、精神疲労の兆候という指摘が面白かったです。ストレスに強くなりたい人に。

メンタル・タフネス―勝ち抜く「精神力」を手に入れる

メンタル・タフネス―勝ち抜く「精神力」を手に入れる

生き方

ただマイヨ・ジョーヌのためでなく

「癌は僕の人生に起こった最良のことだ。」淡々と語られる中に凄みを感じました。人はここまで強くなれるのでしょうか。勇気をもちたい人に。

ただマイヨ・ジョーヌのためでなく

ただマイヨ・ジョーヌのためでなく

ゆたかな人生が始まる シンプルリスト

私自身は物欲にまみれているのですが、シンプル生活にも憧れがあります。特に身の回りや人生のいろいろをリストにして、すぐに思い出せるようにしたいなあという野望があります。その参考に手に取った本。リストを書いて振り返りながら、丁寧に生きることを学びました。リストマニアに。

ゆたかな人生が始まる シンプルリスト

ゆたかな人生が始まる シンプルリスト

まとめ

今年は150冊読破が目標でした。現在149冊なので、目標達成できそうです。一方で、読みやすい本ばかり読んでしまったなあ〜という反省も。印象に残る本は読みにくいんですよね。そのぶん、脳をかき回されるような知的興奮を味わいます。

来年はどんな本と出会えるのでしょうか?わくわくします。