迷うことは悪いことではない−「青春漂流」を読んで


青春漂流 (講談社文庫)

青春漂流 (講談社文庫)

自分は何者でいったい何をしようとしているのか。
どうやって生きていったらいいのか。
この数年、私はそういうことでずっと悩んできました。
人はこれを「青春」と呼ぶようです。


プロローグにこんな言葉があります。

平均的には、三十代までを青春期に数えていいだろう。孔子は『四十にして惑わず』といった。逆を言えば、四十歳までは惑い続けるのが普通だということだ。


私は三十半ばにしてまだ迷っている。
そのことに罪悪感と劣等感を感じていました。
でも、それは別におかしいことではない普通のことだ、と知ったのです。


この本には11人の若者が、それぞれの生き方を見つけ、そこにたどり着くまでのドキュメンタリーが綴られています。
1988年出版。古い本です。
でも、そこに書かれている人の姿は今も色あせません。
ゼロから、マイナスから、自分の力と周りの力で自分を引き上げていく過程は、
読んでいてとても力を与えてくれます。


あきらめずにどんなことでもやってみることが大切だ、
自分でとことんまで考え抜いてやってみる。
そういう本気の姿を教えてくれました。


正直に言えば、もう少し前にこの本に出会っていればよかった。
数ヶ月前の悩んでいることに悩んでいた頃に読めば、救われたかもしれません。


自分のやりたいことがあるけど踏み出す勇気がない、
生きることに悩んでいるという人に読んでいただきたいです。


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