アップルと私 ー スティーブ・ジョブズ氏の訃報に寄せて

clapon2011-10-06



1997年4月。大学4年生だった私は、大学の研究室でC言語プログラムの勉強をしていた。使っていたのはマッキントッシュ。研究室には先生を含めアップルフリークが何人かいた。

マッキントッシュは私にとって憎い奴だった。作ったプログラムが不正なメモリアドレスにアクセスすると、OSごとクラッシュする。一生懸命プログラムを書き実行すると、途端にマッキントッシュが再起動しスマイルフェイスがにっこりほほえむ。何が起こったのかわからず目が点になった(プログラム技術がなかっただけ…)。

その後、iMacが発売された。アップルフリークの先輩は早速ボンダイブルーのかわいい機械を研究室の机に置いた。5色のカラーが異なるiMacが発売されたときにも、色違いを買っていた。私はとても不思議で仕方なかった。確かに見た目はかわいいけれど、なんでそんなに何台も買うんだろう?先生も何台もマッキントッシュを買っていた。不思議だった。

社会人になり、仕事柄Windowsばかり扱うようになった。アップルのことはすっかり忘れ、Windowsに夢中になった。数年経った頃、同僚が「Windowsは飽きた」という理由で新型iMacを買った。全然操作が違うだろうに…と興味なく聴いていた。podcastが聴きたいという理由でiPodを買った。

2009年8月。仕事で海外にいくことになった。私はウィルコムPHSを使っていたので海外では通話ができない。そこで相棒が買ったばかりのiPhoneを貸してくれた。それまでiPhoneの存在すらほとんど知らなかった…。関西国際空港にいく電車の中でiPhoneのゲームに夢中になり、空港につくまでに電池が切れてしまった。それほど夢中になって触っていた。

帰国して、すぐに自分用にiPhoneを買った。

iPhoneは私の生活をすっかり変えた。今までPCの前にいないとできなかったことが、手のひらでできる。それまでウィルコムスマートフォンを使っていたが、全く違った。滑らかな動き、自然なUI。革新的だった。すっかりiPhoneの虜になった。

iPhoneユーザの多くはアップル信者だった。ネットでiPhoneの情報を調べていると、「Mac OSが...」「Macbook Airが…」というのが目につく。だんだんと気になってきたが、流されないもん、と突っ張っていた。

結局、誘惑に負けてMacbook Airを買った。もうWindowsに戻れなくなった。iPadも買おうかと思っている。もはやアップル製品なくして生きていけない体になった。大学生の頃に不思議だと思っていた先輩と、同じ人間になってしまった。私の周りにはアップル製品がいっぱいだ。そしてこれからも増えるだろう。

フリーク歴が浅いのでスティーブ・ジョブズ氏についてはあまり詳しくない。こんな私でも、彼の手がけたものの素晴らしさを15年かけて知った。人生を変える何かが、彼の周りにはある。