モモはみんなの心の中にいる

昨日に引き続きミヒャエル・エンデの「モモ」からです。

モモ (岩波少年文庫(127))

モモ (岩波少年文庫(127))


読み始めて不思議に思ったのは、モモが人の話しを聞くことが得意なところです。
モモのおかげで、子どもたちは遊びのアイデアをたくさん生み出し遊びを楽しみ、
大人たちは抱えている問題を自分たちで解決してしまうのです。


モモには聞く才能があったのです。
モモに話しを聞いてもらうと、相手はじっくりと自分で考えることができます。
そして自分で答えを導き出せます。
これは今でいう「コーチング」ではないでしょうか。


それで一つ気づくことがありました。
モモに話しを聞いてもらっている人間たちの姿が、以前の自分と重なったのです。


私はストレスから精神的に落ち込み、今は回復途上にあります。
ストレスに追い込まれていた頃は、ただただ必死にもがいていました。
何かに急かされているような焦りばかり感じ、リラックスすることすらできませんでした。
でも今は幸せをすこしずつ取り戻しています。


取り戻したきっかけは、メモをとりはじめたことでした。
いわゆる、ユビキタス・キャプチャです。
自分の心に浮かんだことをすぐにメモに書き取るように心がけました。


メモをとることで自分の考えに耳を傾け、一瞬の考えを見逃さないようになりました。
そして自分の抱える問題について真面目に取り組む気になり、
すこしずつですが自分の問題を解決することができるようになってきました。
私にとってはメモが「モモ」の代わりになってくれたのです。


モモはみなさんの心のなかにもいるのではないでしょうか。
ただ、忙しさで見えていないだけかもしれません。
自分の心の声に耳を傾けると、見えないものが見えてきますよ。