人生の全てをログに取ろう!…といっても


私は毎日Twitterに「今何してる?」や「今何考えてる?」をつぶやき、
ユビキタスキャプチャも実践しています。
なるべくやっていることを記録に残すようにし、毎日の料理の写真も取っています。
もちろんEvernoteでそれらを管理しています。


と実践してはいるのですが、同じようにやってみようよ!と人に勧められるかというと、
心で少し引っかかっていることがありました。


一つ目は、ログをとることが目的になってしまって、実際の体験を楽しめなくなるのでは?という疑問。
二つ目は、ログが膨大になりすぎてそれを活用しきれないということです。
世の中はライフログ流行で、どんどん記録しようという記事は多いのですが、
この二つの疑問に答えてくれるものはなかなか見つかりませんでした。
しかし「ライフログのすすめ」を読み、疑問がスッキリしました。

ライフログのすすめ―人生の「すべて」をデジタルに記録する! (ハヤカワ新書juice)

ライフログのすすめ―人生の「すべて」をデジタルに記録する! (ハヤカワ新書juice)


さすがライフログを10年以上実践されているだけのことはあり、
ログをとることで起こりうるリスクや、問題点、改善点など、
実践した人にしか到達できない解決策や方法が書かれています。


一つ目の疑問、ログをとることが目的になるのでは?に対する答えは、
「自分でログをとらなければいい。」
自分で意識しなくてもログが自動で取れるようになれば、
旅行に行って写真ばかり撮っているとか、他の人と話をしているのにメモばかり書いているということにはなりません。
そのときに存分に楽しみ、あとでじっくりと見返せばいいというわけです。
まだ完全には実現できないこともありますが、自分がログをとる上で自動化というのを意識してみようと思いました。


二つ目の疑問、ログの活用法に対する答えは、
ログを要約する(重要なところだけを抜き出す)プログラムの登場を期待する、という改善策でした。
膨大な写真の中からピックアップしたり、ログからノイズを消してエッセンスだけを抽出したりする、
そうすれば大量のログも怖くありません。
そういうプログラムが開発されることを望みます。


この本を読んで、やはりライフログという考えにとても心惹かれました。
なぜログとして残すことにここまで惹かれるのでしょう。
それはログとして残しておけば、後からその事実を再評価できるという点に尽きます。


そのときに気づかなかった出来事も、詳細なログを持っていれば、後で知ることができます。
つまりログを取るということは、判断を将来に保留する余地を残すということでもあります。
その場で100%決めてしまわなくてもよい、この安心感に惹かれるのです。


自分の生活をすべてログに取る。
これはとても革新的な考えだと思っていました。
しかし実際は、今の自分の決定に対する保険という、保守的な考えなのだと知りました。
しかもメリットは多いのにデメリットはほとんどありません。


記録を取ることで、今自分がやっていることが本当に正しいのか?という不安に踊らされることなく、
足下をしっかりと固めながら前に進むことができると感じました。
自分に自信のない私でも、後からいくらでも思い返せるという安心感で強くなれそうです。


ライフログって最近よく聞くけれど、それって本当に大丈夫?」と感じている人にこそ、
読んでいただきたい本です。