大人になると思ったのになりきれていない人へ - 「コドモであり続けるためのスキル」を読んで


生きづらいなあ。
数年前からずっとそう感じてます。


子どもの頃は、大人の年齢になったら大人になるものだと思っていました。
ところてんのようにツルッと押し出されて大人になる。
大人になったら会社に行って結婚して家族を作る。そんなイメージ。


でも実際はどうだろう。
仕事だけで精一杯で家に帰って寝るだけの生活。やりがいのない仕事。
30過ぎても結婚すらしていない。当然子どももいるわけない。
挙げ句の果てには病気になって無職。
あれー、こんなはずじゃなかったのに…!


そんな私でも、少しでもまともな人生になるようにいろいろ努力しました。
仕事に役立つ資格を取ったり、独学でいろんなことを勉強したり、
あちこち遊びにいって見聞を広めたり、自己啓発・ノウハウ本をたくさん読んだり。
もがいて、もがいて。一生懸命、会社に・社会に「適応」しようとしました。
でもなんだかうまくいかなくて結局「適応障害」という病気になっちゃいました。
おかしい。


今、私みたいに社会に適応できない人が増えています。
そういう人たちは「フリーター」「ひきこもり」「ニート」とか呼ばれていたりします。
適応できない理由は様々。
マッチョな人からすると自己責任ざまあwって感じなのかもしれませんが、ちょっと待って。
社会に適応できる人が「大人」なら、適応できない人はなんなんでしょう?
そしてその人たちは普通に生きていてはいけないのでしょうか?
「大人」がこっち側になることもあるのでは?


私は会社からドロップアウトしたとき、ものすごく後ろめたい気持ちになりました。
人間失格なんだ…とまで思いました。
もちろんそれは私の思い込みです。
実際、仕事を辞めてから逆に人間らしくなりました。
でも「人間失格」と思わせてしまう何かがこの社会にはある。
「大人」を篩にかけて、「大人」の数を減らしているのが今の社会と言えるかもしれません。


「コドモであり続けるためのスキル」は大人になりきれない人、大人になれないかもしれないと思っている人のための本です。
中学生以上の学生向け。でも大人の年齢の人でも楽しめると思います。


この本にはこんなことが書いてあります。
社会に適応して大人になるのもいい。
けどそれがあまりに辛いのなら、適応できないコドモのままでいたっていい。
どんな人でも生きていたっていい。
人間を社会に合わせるのではなく社会を人間に合わせよう…という発想もあっていいのでは。


人間に合わせるってどうやって??
その方法を知るには、自分の生きづらさの原因を知る必要があります。
だから、まずは自分の言葉で自分の境遇を語ってみるところから始めよう。
語ることで似たような境遇の人とつながり、大きなうねりができるかもしれない。
なにより、自分の人生を生きている!という実感が湧いてきそうです。
私もそうやって社会と関わっていきたいなあと思っています。

コドモであり続けるためのスキル (よりみちパン!セ)

コドモであり続けるためのスキル (よりみちパン!セ)