経験を語るときに気をつけなければならないこと

ブログやTwitterを通して、簡単に自分の意見を発信できるようになりました。もしあなたがサバイバー(克服者)で、自分の経験を人に伝えたい、経験をもとに同じ境遇にいる人を励ましたい・アドバイスしたいと思うなら、気をつけなければならないことがあります。

  • あなたの体験は個人的なものである
  • 感じ方は人それぞれ
  • 意見を受け入れるかは相手の自由

あなたの体験は個人的なものである

あなたが伝えたいと思う体験は、すべての人に当てはまるものではないかもしれません。むしろ当てはまらない方が多いと思います。

たとえば私はうつを患いましたが、このときの苦しみや葛藤がすべてのうつ患者に当てはまるとは思いません。うつといっても、原因や症状、治療方法も一人一人違います。私に合っていた方法が、相手にも当てはまるとは限りません。だから「うつの人はこうするべき」と簡単に言ってはいけません。自分の体験を過度に一般化してはいけません。

あくまでも体験は個人的なこと。その観点を忘れてはいけません。

感じ方は人それぞれ

同じ境遇になってもどう感じるかは人によって変わります。

たとえば親を亡くして、ものすごく喪失感のある人もいれば、仕方ないことと受け止める人もいるでしょう。同じ境遇だから同じように感じるわけではありません。

相手の話を十分に聞かないうちから「自分も同じ境遇だったからわかるよ」と言って一方的に体験を語るのはやめましょう。そういう風に感じられない自分はおかしいのか?と相手を追い詰める可能性もあります。

意見を受け入れるかは相手の自由

あなたの体験やアドバイスを伝えても、相手にはそれを聞かない自由があります。

意見を相手に押し付けないこと。自分とは異なる解決方法もあると知ること。特にサバイバーは自分の経験しか頼るものがありませんから、独善的になりがちです。

相手がアドバイスを受け入れなくても、怒らない・責めないのは基本です。

個人的なものとして語ろう

このことは私自身が戒めていることでもあります。やはり自分の成功体験が強いと、相手も同じだと錯覚してしまいそうになり、その都度自分に言い聞かせています。

体験談は、自ら解決策を求めている人にとっては非常に役立ちます。しかし解決策を求めていない人・違う方法を選んだ人に押し付けると、非常に迷惑になります。

「私はこうだった」と個人的体験として語り、どう受け止めるかは相手の選択に任せましょう。

すべての人に当てはまる解決策などないのですから。