自己啓発書を読むと嫌いな自分を追い払えますか?

私はいわゆる自己啓発書やビジネス書をよく読んでいるので、こういう質問を受けることがあります。

  • 「本を読むとうつから抜け出せますか?」
  • 自己啓発書を読むと、自己肯定感が増しますか?」
  • 「ビジネス書ばかり読んでいて役に立つんですか?」

私の答えは、

  • No
  • No(ただし場合による)
  • Yes

です。

今日は、抑うつ症状のある人が自己啓発書・ビジネス書を読むケースについて考えてみます。

本を読むとうつから抜け出せますか?

抑うつ症状があるときは、できれば自己啓発書は避けた方がいいです。これらの本は「自分を変える」ためのメッセージが溢れています。

抑うつ症状は、もう脳ががんばりすぎて力が出ない状態です。エネルギー不足でヘロヘロなのです。そこにさらに「自分を変える」という負荷をかけると、さらに疲れが増し、悪化する恐れさえあります。

もう十分頑張ってエネルギーが足りなくなっているのです。なんとかしなければと焦る気持ちもあるでしょうが、まずはエネルギーを回復させることに専念しましょう。健康なときにこういった本を読んだことがない人は、特に読まない方がいいです。

本を読むとうつから抜け出せますか?
→ No です。避けましょう。

自己啓発書を読むと、自己肯定感が増しますか?

普通の自己啓発書の場合は、自己肯定感は増しません。逆に自己嫌悪感にさいなまれる可能性もあるので注意が必要です。「この本に書かれているようなポジティブな考え方なんてできないよ…」と。

ただし本によっては有効なものもあります。なぜ自分は自己肯定感が持てないのか、そこが明確になっているのなら、本を読むのは有効です。

例えば私の場合、完璧主義と「誰からも好かれるいい子」でいたいという願望が実現できないので、自分なんか嫌い(=自己肯定感がない)となっていました。さらに行動的になりたいのになれない自分にも不満をもっていました。この具体的な問題を解決するための方法を、本から学びました。

自分の問題がハッキリしている人には、本は有効です(玉石混合ですが)。なんとなく自己肯定感が持てない、自分を変えないといけない気がする…という気分なら、本を読まない方がいいでしょう。

自己啓発書を読むと自己肯定感が増しますか?
→具体的な問題がある人はYes、それ以外はNo

戦うのは自分

自己啓発書やビジネス書は読み方があります。それは本の内容を鵜呑みにしないということです。これができないうちは、あまり読まない方がいいし、効果もあまり出ないのではないかと思います。

本が魔法のように、嫌いな自分を追い払ってくれるわけではありません。追い払うのは自分です。嫌いな自分と戦うために必要な知識を、本で得ようというくらいの気持ちで読むのが一番です。

受け身でする読書から、能動的に情報を取りに行く読書に変えられるようになってはじめて効果がでると、私は思います。

「ビジネス書ばかり読んでいて役に立つんですか?」は長くなりそうなので別エントリで。