自分は何者なのかという問い


自己紹介をするとき、自分をなんと表現するでしょうか。たとえば職業や趣味で取り組んでいることを答える人もいるでしょう。


私はずっとこの問いの答えが見つからずに悩んでいました。今ははっきりとした職業もないし、人に自慢できるような趣味や特技もない。しかも病気で寝こんでいた。ずっと「私は○○です」と言える何かが欲しい!と思っていました。


漠然とした「何か」を求めていろんなことを試しました。何かになるために知識を身につけたいと思い、多くの本を読みました。特に「○○術」という情報に飛びつきました。ブログを書いたら何かになれるのではとも思いました。


あれこれ試しているうちに、自分がなぜそれをやっているのかわからなくなりました。「何か」になりたい一心でしたが、後から振り返ってみると、肝心の目標が「何か」という曖昧なものなので努力も曖昧にならざるを得なかったのです。


何かになりたいという思いは、うつ症状によってさらに増幅されました。はっきりとした地位がない自分には価値がないと思い込み(うつの症状です)、とにかく何かにならねば、今すぐならねばと焦っていました(焦りもうつの症状です)。いろんな情報に飛びついて、それを達成できず、あきらめ、自分には能力がないと落ち込む。この繰り返し。この時の不安はすさまじかったです。寝ても覚めても頭から離れませんでした。不安と焦りに突き動かされて闇雲に努力していましたが、自分に自信がないのですぐに考えがぐらつきます。粘りもないので何も身につきません。「自分探し」で彷徨ってしまうパターンにはまっていたのかもしれませんね。


今振り返って考えると、なんであの時あんなに焦っていたのだろうか?と不思議です。病気だったからなのでしょうか。


「何者か?」という答えはまだ見つかっていません。相変わらず中途半端です。まだ焦りも不安もあります。それでも少しずつ軽くなってきました。


「私は○○です」と答えるのは死ぬ間際か死んだ後で十分かなと思います。答えを求め続けることこそが人生なのかなと考えるようになりました。だから簡単に答えを見つけようとせず、じっくり考えて試していきたいです。


答えばかりを探していると、目の前のことが疎かになってしまいます。私はまさに目の前の生活が見えていませんでした。当時は地に足がついていない気分でした。確かに足がついておらず、彷徨っていましたね。


これからは「何者か」という問いから、「何をしたいのか」を中心に考えます。