Webで情報を発信するものとしては、自分の文章力がとても気になります。
私の文章はテンポが悪く、あいまいな表現が多くてわかりにくいです。
文の最初と最後ではつじつまが合っていないことも多いのです。
これは思った端から書いていき、最終形が見えていないからでしょう。
また同じ話を何度もしてしまいます。
別の表現で言い換えているだけで、結局同じことを繰り返していることが多いのです。
つまり下手なのです。
小さい頃から作文や読書感想文は苦手でした。
何を書いていいのかわからなかったのです。
与えられた選択肢から選ぶことは得意でしたが、自分で何かを創造することは得意ではありませんでした。
心のどこかで「自分の考えは間違っている。どこかに正しい答えがある。」と思い込んでいました。
それを誰かが教えてくれるのだと思っていました。
でも誰もそんなことはしてくれませんでした。
考えてみれば当たり前です。
だれも未来のことはわからない。
これが正しい!と言い張っても誰も証明できないのです。
答えを出すのは自分でした。
答えは自分が苦心してひねり出すものでした。
始めてみればわけもないことなのですが、考えすぎて動けずにいました。
そんなときに背中を押してくれたのがこの本です。
- 作者: ナタリーゴールドバーグ,小谷啓子
- 出版社/メーカー: 春秋社
- 発売日: 2006/03/20
- メディア: 単行本
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文章に関する本ですが、テクニックは記述されていません。
「書くこと」は修行と同じであり、書けないことは才能不足ではなく単にトレーニングが足りないだけである。
毎日決めた時間は必ず「書くこと」をしよう。
「書くこと」はあなたの人生を振り返ること、もう一度生きることである。
どんな些細なことでも構わない。ただしできるだけ具体的に書くこと。
この本を読んで私はとても勇気付けられました。
自分の文章が下手だから書けないと引っ込んでいたのですが、
むしろ書くことでしか書くことはうまくならないと学びました。
そして何を書けばいいかは自分の人生の中にあることも。
いくらでも文章のネタはあったのです。
私は書くことが楽しくなってきました。
まだ文章は下手なままですが、書き続けることでうまくなっていけばいいと思えるようになりました。
書くことに夢中になると、世界が自分と自分の心だけになる感覚を覚えます。
思い出を書き起こすと今まで感じたことのない、
懐かしいような少し後悔をするような、なんとも複雑な気分を味わいました。
まだ自分には知らない自分がいるようです。