無理をしないってどういうこと?

無理しない・頑張りすぎない。
うつになると、こういうことを医者から言われます。
でもよくわからないんですよね。
頑張りすぎて、どこからが無理なのかわからなくなるから、病気になるのです。
最初から「無理しない」ことができれば、こんなことにはなっていません。


うつの治療とは、自分の「無理」を認識する戦いだと言ってもいいでしょう。


私の場合も「無理」の加減を見極めるまでが長かった。
うつの治療を始めてから2年くらい。
まだ完全には把握できていませんが、ひとつの判断基準が見つかりました。
「やりたいこと」なのか「やらねばならないこと」なのか、ということです。


私にとって、やりたいこと・やらねばならないことの違いはありませんでした。
やらなければならない、だから自分はそれをやりたいのだと思いこんでいました。


仕事でチームプレーがうまくいかない。これは自分がなにか行動して変えねばならない。
だから、自分はそれをやる。やりたい。
家が散らかっている。整理整頓された環境で暮らさなければならない。だから片付ける。
自分は健康でなければならない。だから早くよくなりたい。
人並の生活をしなければならない。だから頑張る。
こんな感じです。


これではいつまでたってもうつは治りません。
逆にますます悪くなるでしょう。


うつになると、自分がものすごく劣った人間に思え、現状に焦りを感じるようになります。
そうしていくうちに、やらねばならないことに考えが支配されます。
その悪循環にはまってしまうと、なかなか抜け出せません。
頑張らないことは悪いことだと思ってしまうからです。


悪循環から抜け出すには、自分の考え方を変えていくしかありません。
やろうとしていることは自分がやりたいことなのか、やらねばならないからやりたいと思っているのか、と問いかけてみてください。
この違いは大きいです。


うつの療養中であれば、やらねばならないことは一旦放棄してしまいましょう。
病気だから人並にできなくても仕方ないのです。
まずは健康を取り戻すことを最優先に。
自分が心からやりたいと思うことだけをやるくらいで調度いいのです。


怠けているのではないかと思ってしまいますが、そんなことはありません。
骨折した人がギブスをはめるように、治療中だからわざと頑張らないようにするのです。


治療中は周りの人に迷惑をかけてしまうのは事実です。
とても心苦しいし、罪悪感も感じるでしょう。
逆に周りの人が病気だと理解してくれずに頑張りを要求してくる場合もあります。
これはとても辛いことです。
それから身を守ることも、無理をしない一つの方法です。


自分で無理の加減がわかるようになれば、調整もできるようになり精神力は回復してきます。
精神力が戻ればまた頑張ることはできます。
元気になって、周りの人に恩返ししましょう。
だからそれまでは緩んでいきましょう。


あなたにとって、何が無理なことですか?
少し頑張るのをやめて考えてみませんか?



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